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ご都合主義、4月もかく語りき。(2013)

いま、NHKのニュースでアナウンサーが

「ボードの升目に白と黒の石を置いて取り合うボードゲームの大会が行われました」
と原稿を読み上げました。

テレビの映像を観たら「オセロ」のことでした。

「尚美ちゃん、もうリバーシでええんちゃう?」(元オセロ・中島風に)


いまさらですが、4月に読んだ本を書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


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【スロウハイツの神様(上・下)@辻村深月】

辻村版トキワ荘的な、「スロウハイツ」という共同住宅で暮らすクリエイターの卵たちの話。
上巻は人物紹介みたいな感じの印象で、あまり大きな出来事は起こらない。
過去の話や、どうやってみんながスロウハイツに住むようになったかの説明。

だが、下巻になって一気に加速した。
一つ一つの言葉や思いは繋がっていき、やがて分かる日が来るのだろう。
差し伸べられた手の温度に気付いた時、未来は何て煌めき鮮やかに色付くことか。
事件の裏で一人闘う懸命さに、一人また一人と差し伸べる手に、仲間の頼もしさに胸打たれる。

そして最終章。
至るところに張り巡らされた伏線に気付かされ、そして別の意味でこの物語を振り返る。
「思い」はいつか伝わるのかもと。
知らない所で誰かに支えられたり、気付かない所で誰かを支えたりしながら。

まったく、本当にセンスがいい。


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【V.T.R.@辻村深月】

「スロウハイツの神様」の登場人物、チヨダ・コーキ、17歳のデビュー作品。
だが、一番の見どころは解説の赤羽環の文章である。
ちなみに編集者の欄に黒木智志の名も。

ラノベらしい文体、ラノベらしい世界観。
10代で抜けるといわれるチヨダ・コーキの作品が感じ取れる。
これがチヨダ・ブランドの出発点なのか。
主人公「T」の一人称視点ながら、
絵描き「S」の話は「スー」が浮かび、
孤児院で乾燥機や洗濯機に入れられた「J」の話は「浅葱@子どもたちは夜と遊ぶ」を思いだし、
うさぎを殺されて引きこもりになったという「A」の話は「ふみちゃん@ぼくのメジャースプーン」を思い出す。

殺し屋の話なのにアクションではなく、あくまでダイアログで魅せようとするところが著者らしい。


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4月は以上2冊です。

「ハク」「トンボ」「パズー」「天沢」
みんなまとめて「バルス!!」
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by wakachannel471225 | 2013-08-16 15:56 | BOOK

ご都合主義、3月もかく語りき。(2013)

週間予報は晴ればかりなり。
ちょいカイホー的、テッキーラ!! な気分ですが、
何故か会社で下版してるロクデナシ。

やべっ、2013サマーベストのテープを作んなくちゃ!!


いまさらですが、3月に読んだ本を書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


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【凍りのクジラ@辻村深月】

痛切なまでに人との繋がりを求めているのに、
誰にでも頭文字「SF」で始まるレッテルを貼り付け、
褪めた目で関係を計ってしまう女子高生・理帆子(少し・不在)。
「SF」とはドラえもんの作者・藤子先生が考えた「少し・不思議」の略。

自覚しながらもどうにも出来ない閉塞感は、凍りの海に閉じ込められたくじらと重なるよう。
元彼の狂気の萌芽。
危険を感じつつもその壊れ行く様を観察したいという、どこか投げやりな主人公の振る舞いに、
ひりつく様な焦燥感を覚えた。
狂気が行き着いた先での悲劇と、母の死を機に明らかになった友情。
最後に理帆子を照らした光は、凍てついた海から暖かな海へと導く「祝福」の光なのだ。
辻村深月女史が生み出す登場人物たちはすごく豊かな個性を持っている。良い個性も悪い個性も。
郁也の誕生会での多恵の気丈な振る舞いに、張り裂けそうな慈しみを感じた。

ドラえもんの秘密道具で一番欲しいものは、
「どこでもドア」でも「暗記パン」でも「もしもボックス」でもなく、
「テキオー灯」だという事に気づかされたのが収穫。

S・F遊びをするなら、
常に調子が悪い私は「少し・不健康」。
理想の大人像は「少し・ふざけてる」。
現在の自分は「少し・腐敗」。
未来の自分は「少し・不安」。


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3月は以上1冊です。

寝る前にエアコンをおやすみタイマーセットをします。
2時間後、エアコンが切れた瞬間、暑くて目が覚める悪循環がたまりません。
誰のせい? それはあれだ! 夏のせい!
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by wakachannel471225 | 2013-08-16 14:58 | BOOK

ご都合主義、2月もかく語りき。(2013)

安倍晋三首相は終戦の日の15日、
東京・九段北の靖国神社への参拝を見送り、
自民党総裁として私費で玉串料を奉納した。

閣僚では新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、稲田朋美行政改革担当相の3人、
自民党幹部では野田聖子総務会長、高市早苗政調会長らが、
メガネ党ではメガネさん(40)らがそれぞれ参拝した。

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【胸に魂を込めるメガネさん(メガネ通信)】


いまさらですが、今年の2月に読んだ本を書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


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【完訳 ペロー童話集@シャルルペロー(新倉朗子訳】

各地に伝わっていた昔話の伝承、口承を詩人でもあったシャルル・ペローによって集められ、
当時の宮廷や社会への風刺、教訓も加味された童話集。
子供に向けてではなく貴族の女性に向けてまとめられた童話という事で、
グリム以降の童話とは違う趣きがあってオモシロ。
韻文で書かれた物語も、テンポがあって読みやすい。


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【美女と野球@リリー・フランキー】

「愛と哀しみのエッセイ集」と銘打ってあるが、
登場するのは著者リリー・フランキーをはじめとして、
どこか道を踏み外したような奇天烈な人間ばかりで、基本的に下ネタを連発。
リリー氏はそのような人間に囲まれた生活を底の浅い濁流のような毎日として捉えているが、
流れ流れて相当ディープな世界へと辿り着いたようだ。
好きなものは美女と野球、息も絶え絶えながら暮らしていける世間に愛と哀しみを僅かに感じた。
あの頃だったから書けた、良くも悪くも90年代のゆるい感じが懐かしい。


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2月は以上2冊です。

35℃の猛暑に、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ心境です。
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by wakachannel471225 | 2013-08-16 13:46 | BOOK

ご都合主義、1月もかく語りき。(2013)

気が付けば、もう8月です。
冬から春へ、梅雨から夏へ季節が過ぎて行きました。

明日を思うより、過去を振り返るのが好きな後ろ向き体質なので、
いまさらですが、今年の1月に読んだ本を書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。



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【子どもたちは夜と遊ぶ(上・下)@辻村深月】

(上巻)
工学部の大学生達の前に突然現れた「i」と「θ」。
互いに謎かけじみた伝言を残しながら、再会のための殺人をゲーム感覚で始める。
顔の見えないその姿が、ゆらゆらと世界に闇を落としていく。
一方通行の想い、夜の匂い、孤独と罪・・・。
息苦しいような閉塞感と切ない行き場のない世界が迫ってくるような物語が進む中、
登場人物が繊細に描かれていく長編ミステリー。
月子、孤塚、浅葱、恭司。知らない間に彼らを知りすぎる。それが一番怖い。
始まったゲームは止まらない。
一人、また一人。残虐な描写が脳裏をえぐる。
誰が「i」なのか。。。

(下巻)
絶対何か仕掛けられてると思いつつ登場人物の全員を疑いながら読み進めたが、
案の定、叙述トリックにだまされた。
嫉妬と優越、諦めと渇望。
描かれているのは酷くて究極の形だけれど、
誰もが心の奥に「i (存在しないもの)」のように密かに抱えているものがあるのだ。
救いようのない残虐と混乱のなかでもがく浅葱は生々しくて、壊れた純粋さが痛々しかった。

ただ、どんなに美しく描こうと、浅葱は無関係の人を次々と殺めた殺人者だ。


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【余った傘はありません@鳥居みゆき】

大好きな芸人の連作短編集。
彼女らしいシュールさと得体のしれない怖さ。たまに見せる古典的な笑いがオモシロ。
舌足らず的な文章も、彼女が語ってるような気にさせるのは計算なのか。
話があっちこっちに飛び、それぞれ文体が異なる短編をパズルのピースのようにつなげていくと、
やがてある双子の姉妹の人生が見えてきた。


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1月は以上3冊です。

35℃の猛暑に耐えながら、大雪が降ったころに読んだ本の記憶をたどっています。
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by wakachannel471225 | 2013-08-16 11:27 | BOOK