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ご都合主義、10月もかく語りき。

ジョブズ気取りで黒のタートルネックを着てたら、
バカリズム扱いされました。
入稿しーの、検版しーの、下版しーの、トツギーノ!!


いまさらですが、10月に読んだ本をいまさら書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


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【ぼくのメジャースプーン@辻村深月】

「ツナグ」で思いのほか感動したので、BOOK-OFFで購入しました。
主人公は小学4年生(10歳)の男の子。
「○○しないと、××になる(if…then…の条件文)」といった、呪いをかける(相手を縛る)能力を持っています。
彼の大切な人が傷付けられた時、復讐のため犯人にこの力を使うことを決意するのですが、
どんな「条件」と「罰」を提示するかを決めるまでの1週間を追います。

「いわれなき悪意にどう対処するか?」
「悪意に対する罰とはどんなものがふさわしいか?」

そんな難しいお題を秋山先生(同じ能力を持つ大人)とともに学びながら導き出していくのですが、
結論に至るまでのエピソードの積み重ねが、深く重く読み手に襲い掛かります。
もし自分だったらどんな「条件」を提示するのだろうと考えながら読み進めるのが良いのでしょうが、
考えるのが面倒なほど疲れるテーマなので、何の結論も出せぬまま読了してしまいました。
誰かのためにここまで考えたことがないメガネさんにとって、10歳の男の子のしっかりとした思考に脱帽です。


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【冷たい校舎の時は止まる(上・下)@辻村深月】

3作連続・辻村深月。
上巻はBOOK-OFFで購入しましたが、下巻は同僚に貸してもらいました。

雪の日に校舎に閉じ込められてしまった高校生8人の話。
学園祭の日に自殺したのはこの中の誰なのか・・・という設定。
上巻の中盤くらいから一気にスピード感があがります。
続きが気になるので疾走しながら下巻に突入。
ですが、途中から一人一人の過去のエピソードがとても丁寧に深く長く綴られ、
しかも全1200ページというボリュームに「早く読み終えてしまいたい」という感覚を
強く抱きながら読んでました。

途中、自殺したのは誰か?という「解答用紙」的なページがあり、
自分なりの考えをまとめてから答え合わせをしつつ読むべきだったのでしょうが、
何だかよくわからなかったので、何も考えないまま読み進めました。
ただ、深月の異常なまでの自己嫌悪も、みんなが深月を守ろうとするやり方も全く共感できませんでした。


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【小暮荘物語@三浦しをん】

小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分のおんぼろアパート「木暮荘」を舞台に巻き起こる
「性」と「愛」と「恋」と「セックス」を題材にしたオムニバス短編。
性別によって、年齢によって、境遇によって、環境等々によって千差万別な題材。
テンポよくユーモラスな語り口、破天荒かつコミカルなエピソードの数々、
どこかズレた変人キャラのオンパレード。これぞ「しをん女史ワールド」。
喜怒哀楽だけでは割りきれない複雑な感情、明と暗が渾然一体となった人生、
日常の中に潜む微量の異常・・・こういうのを描くのが本当に巧いなと改めて感心しつつ読了。


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【ふくわらい@西加奈子】

新刊で購入しました。
しかもサイン本。
ありがたや。

読み切るのがもったいないけれど、読み進まずにはいられない、全開の西加奈子ワールド。
生真面目で、まっすぐで、感情の見えない鳴木戸定(ナルキドサダ)という女性編集者。
子供のころから福笑いが好きすぎて、こっそり目の前の人の顔で福笑いして楽しんだりしている。
言葉を並べて文章を作るということを、パーツを配置して顔をつくる「ふくわらい」になぞらえる感じに、ひと唸り。
恋愛も友情も知らなかった定が、もの凄く個性的な登場人物との関わりの中で
感情や表情を自分のものにしていく、生々しくも鮮やかな世界。
無防備で無垢な魂。
魂と魂のぶつかり合いみたいな小説は彼女にしか表現できないとつくづく感じました。
そして、そんな彼女の世界が大好きだ。


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10月は以上5冊です。

そして気が付けば11月に突入です。
40歳まであと50日。
30代のうちにやり残したことは・・・40代の宿題にします。
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by wakachannel471225 | 2012-11-05 23:08 | BOOK

ご都合主義、9月もかく語りき。

「手術をした」と言い張る強い心が欲しいです。

いまさらですが、9月に読んだ本をいまさら書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


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【ぶらんこ乗り@いしいしんじ】

児童文学のような文体ですが、かなり深いです。
ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子(とても頭がいい)。
声を失い(正確には、吐きたくなるほどのヒドイ声になった)、
でも色々な動物と話ができるようになった、寓話作りの天才少年。
もういない、わたしの弟(姉の視点で語られている)。

川のおばけに見初められ、声の代償に「あっち側」へ通じる「ぶらんこ」に乗れるようになってしまう弟。
ナマケモノが自ら木から落ち、象がローリングして鳩を殺し、薬物中毒のコアラがいる「あっち側」と、
動物たちの話を書きとめて姉に見せることで「こっち側」に繋ぎとめられていた弟。
弟が感じていたのは「あっち側」への恐怖だけでなく、
夜に動物たちが現れるまで「あっち側」と「こっち側」の中間にいるときのぶらんこ乗りとしての孤独なんだな。

「けっして思い出にすがるんじゃないよ。そのかわりね、できるだけ死を考えなさい」


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【舟を編む@三浦しをん】

ついに2012年本屋大賞作品を購入しました。
辞書を作る人たちのお仕事小説。
または、辞書と文字が紡ぎ出す大人の青春ストーリー。

主人公の馬締(まじめ)の一途な辞書編纂への思いと、彼を取り巻く人々が一つになって、
15年の年月をかけて辞書「大渡海(ダイトカイ)」を作り上げていきます。
言葉の海にとりつかれた人々の熱い思いが美しい。
電子辞書とは違い、用紙の「ぬめり感」まで大切にするこだわりに脱帽。
日本語の味わい深さも改めて諭してくれる著者の筆力を再認識。

終盤の「俺たちは舟を編んだ」の一文に辿り着いたとき少しグッと来ました。
こんなに達成感を味わえる仕事が羨ましい反面、決して係わりたくないと思いました。


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【ツナグ@辻村深月】

死者と生者を繋ぐ使者「ツナグ」。
死者は生者の心にしか存在できないはずだけど「ツナグ」に頼めば1度だけあわせてくれます。
満月の夜に、高級ホテルの一室で、しかも無料で。

設定的には「世にも奇妙な物語」ですが、そこはやはり直木賞作家の筆力で、
心に沁みる4編の逸話にどんどん引き込まれていきました。
特に、婚約者が7年前に行方不明になった男の話の「待ち人の心得」に号泣。
婚約者の儚く健気なエピソードに、おっさんの涙腺は崩壊です。
しかも車を運転しながら読んでたので、泣きながら運転するおっさんはかなりキモかったと思います。

思わず映画版を観にいこうかと心揺れましたが、婚約者役が「桐谷美玲」と知ってやめました。
あたしの脳内変換と全然違いますから!!


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【生きてるだけで、愛@本谷有希子】

狂女の独白です(同棲してる彼氏アリ)。
でも、主人公のネガティブで痛々しい言動は不快にさせるようで、どこか客観的に自己を見つめているから、
こちらも良いテンポで共感し、苦笑し、苛立ったりしながら読めました。
心根がまっすぐなので憎めないということもある。
頭がおかしくなってる分「頭使って言葉並べて」るだけあって説得力があるのでしょう。
五千分の一秒、その瞬間を捉える為に費やした時間は、悲しくもやはり愛の形なのだ。

でも、こんなメンヘラ女に付き合うのは嫌だ。


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9月は以上4冊です。

一昨日、インフルエンザ予防接種を受けました。
いま、左腕がボンボンに腫れています。
上腕二頭筋でメガネ軍とエンザ軍が戦っています。
このままでは負けそうな気がするので「レッドブル」を飲んでみました。
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by wakachannel471225 | 2012-11-03 16:34 | BOOK