<   2011年 12月 ( 1 )   > この月の画像一覧

ご都合主義、11月もかく語りき。

師匠も走る忙しき12月になりました。
ただ、今年のメガネさんは大人の事情からあまり忙しくありません。
でも、忘年会のお声がちっともかからないのは、
ひとえに人望の薄さからでしょう。

まだスケジュールの空きはたくさんあります。
お金はないですが。。。
お誘いはお早めにどうぞ。


11月に読んだ本を書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


d0025570_16392759.jpg

【さくら@西加奈子】

数ヶ月前、立ち読みサイトで数ページ読んだとき、
途中までにもかかわらず、その世界に引き込まれました(そのとき始めて西加奈子を知った)。
そして先日やっとブックオフで購入して一気読みです。

スポーツ万能でヒーローだった、かっこいいお兄ちゃん(過去形ってのがミソ)。
幼少から自分よりケンカの強い超美形な妹(でも性格はキツイ)。
仲良しの父と母(子供にセックスの話をする母親)。
そして愛犬「さくら」(ブサ犬だが家族の絆の中心)。
あと、ごく普通の主人公の次男(記憶力はいい)。

そんな主人公の目線によって、懐かしい子ども時代のキラキラした思い出が綴られますが、
この幸福な家庭が一瞬で「神様からの悪送球」によって壊れてしまった衝撃。
常に頑張り続けてきたお兄ちゃんが最後、ギブアップという形で自分に負けてしまったのが辛い。
それを受けて、妹のランドセルに入ってた矢嶋さん(兄貴の恋人)からの手紙の一連のくだりは、
苦しいくらい哀しく、切なく、心が痛みました。

使われている言葉も、表現の仕方も、風景の描写もとても美しく、
必要以上に描かず想像させるそれは、小説ってこうですよねと思わせる秀作です。


**********************************


d0025570_17265732.jpg

【あおい@西加奈子】

ブックオフで3冊まとめ買いしたうちの2冊目。
西加奈子のデビュー作+短編2本。
文章の端々に初々しさが感じられます。

ほどよく堕落したガサツな印象の女子が主人公。ちびまる子みたいな。まるであたしみたいな。

《そのときの雪ちゃんはまるで、カザマ君から飛んでくる目に見えない花粉に、
 アレルギーになっているみたいだった。》

会社の先輩の雪ちゃんが好きなカザマくん(のちに主人公の彼氏になるのだが)との
最初の呑み会での表現が印象に残りました。
西加奈子は比喩がうまい。
深夜に降る雨と、深夜から降る雨は全然違うよね。
ちなみに月曜日の雨も大嫌いです。


**********************************


d0025570_1743192.jpg

【きいろいゾウ@西加奈子】

いま自分の中で「西加奈子ブーム」なので今月3連チャン。
先月からだと4冊目。
ちなみにこれもブックオフ。

ツマとムコさんの田舎での新婚生活。
不思議で繊細な感覚の持ち主のツマ(嫁)。
過去に暗い傷を抱える小説家のムコさん(旦那)。
前半はそんな夫婦の心温まる優しいお話。
リズム感があるので読んでてすごく心地よいです。
極端に言うと、ストーリー展開なんてどうでもいいから、
ずっとこのなんでもない日々の生活を日記風に綴ってほしいぐらいでした。
後半は一転して糸が切れて不安定になってしまった二人の、
苦しくても逃げない、逃げられない夫婦が足掻く姿を描きます。

「きいろいゾウ」という絵物語の終盤と重なっていくのは少し安直かな。


**********************************


d0025570_187160.jpg

【猛スピードで母は@長嶋有】

「サイドカーに犬」と表題作の2本立て。

「サイドカーに犬」は、姉弟とその父の愛人の関係をコミカルに描き、
「猛スピードで母は」は、威勢のいいバツイチの母とその両親の関係を、内気な少年の目線で描いてました。
どちらも子供が出てきますが、あまり共感できるものがなく、
「ミカ!」で湧いたような子供時代を思い出す感情もなかったです。
いわば、曇り硝子の向こう側をそっと見てる感じ。
メガネさんの母親が、身勝手でパワフルな人ではなかったからでしょうか。


**********************************


d0025570_22393548.jpg

【まほろ駅前多田便利軒@三浦しをん】

「風が強く吹いている」に続いて「しをん女史」の作品を読みました。
東京郊外の街「まほろ市」で便利屋を営む多田と、元同級生の謎多き男、行天(ぎょうてん)。
この二人を基軸に、ハードボイルドとは違う、少しユルくてかなり低いテンションの物語です。
真顔で言う冗談のような感じはわかりにくいけれど、独特の面白さは伝わります。
とくに行天の変な子ぶりには、ときに苛立ち、ときに辟易し、たまに好感がもてます。
現実世界では厳しいけれど、小説ならばアリ。
だから小説は面白い。
映画化は瑛太と松田龍平ですか。
イメージとだいぶ違うな。


**********************************


d0025570_2353960.jpg

【まほろ駅前番外地@三浦しをん】

上記、多田と行天コンビのスピンオフ作品。
短編連作形式を残しながら個々の登場人物にスポットを当てています。
だからでしょうか、前作の濃密さに比べると軽めな印象を受けました。

つか、顔がキレイな奇人変人、実は人知れぬ深い心の傷が・・・って小説が多いですね。


**********************************


11月は以上、6冊です。
年末なのに、嫌なことばかりなので、本に逃げてます。
[PR]

by wakachannel471225 | 2011-12-12 18:27 | BOOK