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ご都合主義、5月もかく語りき。(2013)

いまさらですが、5月に読んだ本を書き留めます。
もちろん、当サイトはネタバレ必須ですので。


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【嫌な女@桂望実】

魔性の魅力で男を惹きつけ金をせしめる、天性の女詐欺師・夏子。
その遠縁で夏子の起こした問題の尻ぬぐいに奔走する、敏腕女性弁護士・徹子の人生を描く物語。
手を替え品を替え様々な手口で男を騙す夏子は、あくまで金のために動いているが、
被害者は夏子の意図しないところで実は夏子に救われていたという事実を、
徹子との対話の中で被害者自身が知るという構成が巧い。
「腹が立ったのは、どんな時でしたか?」「おやっと思ったのは、どんな時でしたか?」
「人生で楽しかったランキング」「もし宝くじで100万円当たったら」という夏子の問いに自分なりに考えてみたが、
楽しかった思い出がないし、100万円で夢を語るほど若くもない。

おっさんに夢を見させる天才=女からみれば「嫌な女」ということか。


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【ゆれる@西川美和】

「告白」形式の構成。
実直な兄、奔放な弟、責めてはいけない人を責めてしまう父、ヤンキーあがりの洋平、女・智恵子。
それぞれの正義や信念が勝手に突っ走り、すれ違う物語。
家族でも合い入れない部分はある。
第三者から見たら何でもないような小さなことまでが、積もり積もって大きな岩となる。
その微かな心の変化が丁寧に書かれてる秀作。
兄弟という同じ血が流れている関係は、時に厄介なものであるが、
自分の兄との関係を考えたとき、そこまで積もる関係ではないと気づかされた。


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5月は以上2冊です。

ルンバになって、主婦のパンチラを覗きたいです。

by wakachannel471225 | 2013-09-07 02:18 | BOOK